やあやあ万葉おじさんじゃよ。
最近は「お風呂が気持ちええなあ」なんて声をよく耳にするんじゃが、
今日は一歩踏み込んで、「温泉」と「お風呂」の違いについてじっくり語らせてもらおうと思うての。
わしらが普段入っておるお風呂――いわゆる「家庭のお風呂」は、
多くが水道水を沸かしたものなんじゃ。
もちろんこれでも十分リラックスできるし、温熱効果や水圧による血行促進、浮力による筋肉の緩和効果なんかも期待できる。
じゃが、それでも“温泉”とは呼ばれんのじゃよ。
では“温泉”とは何ぞや?と聞かれたら、答えはひとつ。温泉法という決まりごとにのっとって定義されとるんじゃ。
この温泉法では、次のいずれか一方でも満たしておれば“温泉”と名乗ってよいとされとる。
1.湧出時の温度が25℃以上であること
2.特定の19種類の成分のうち、1つ以上が一定量以上含まれていること
つまり、熱いか、効能ある成分がたっぷりか。そのどちらかじゃな。
温度と成分、両方満たしていれば言うことなしというわけじゃ。
さて、それではわしの愛してやまぬ「万葉の湯 沼津館」はどうかのう。
結論から言うと――この湯、実に見事なまでに温泉法を満たしとるんじゃよ。
まずは泉温。なんと78.9℃という驚異の熱さ!
地中深くから沸き出す、まさに地球のエネルギーを感じる湯じゃな。
これだけで温泉の条件クリアじゃ。
そして成分にも注目してほしい。
温泉に含まれる溶存物質の量は、1,932mg/kg。これは基準の2倍近く。
さらに、注目すべきは美肌成分として名高いメタケイ酸(129mg)と、
殺菌・抗炎症作用があるとされるメタホウ酸(11.1mg)が、いずれも基準値をしっかり超えて含まれとる点なんじゃ。
この2つの成分がどちらも豊富に含まれる温泉は、全国的に見ても非常に珍しいんじゃよ。
それだけに、沼津館の湯はまさに貴重な存在なんじゃな。
泉質の分類でもまたおもしろい。
沼津館の湯は「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉」。
塩化物泉は、いわば「熱の湯」。
入浴後も身体の温かさが持続しやすく、肌表面に塩分が残って汗の蒸発を防いでくれるんじゃ。乾燥肌の人にもええのう。
そして硫酸塩泉は、昔から“傷の湯”と呼ばれておって、肌荒れや小さな傷をやさしく癒やしてくれる、頼もしい存在なんじゃ。
皮膚の修復を助け、血流を促進し、内側から整えてくれるんじゃよ。
まさに“湯の手当て”とも言えるような効き目があるから、多くの人に親しまれてきたというわけじゃな。
さらにもうひとつ注目してほしいのが pH値。
沼津館の湯の pH は 7.3 で、これは“中性”。
肌にやさしく、敏感肌の人にもピリピリしにくい湯じゃ。
温泉というと、酸性やアルカリ性が強くてちょっと刺激がある場合もあるんじゃが、ここはおだやかで、どんな人にも受け入れてくれる。
まるで昔からの友のような、包み込むような湯じゃな。
このように、万葉の湯 沼津館の温泉は、温度・成分・泉質・pH、どれをとっても一級品。
ただの「気持ちいいお風呂」ではない、自然の恵みがぎゅっと詰まった“湯治場の湯”なんじゃ。
これからもわしは、この湯の素晴らしさをのんびりと語り継いでいこうと思うとる。
よかったら、みんなもぜひ一度、沼津館の温泉に浸かってみておくれよ。
ただの湯じゃない、“命の湯”を感じられるかもしれんぞい。
じゃあのう、また温泉話で会おうではないか。